保険を究める

治療技術を高めるために最も重要なのは、圧倒的な経験数です。100万円の診療を週に1回やるよりも、1万円の治療を100回やった方が、間違いなく技術が向上します。
そもそも、100万円の治療と1万円の治療に、100倍の差はありません。腕が良い歯科医師は、忙しいクリニックにいます。のぶ歯科は現在、平均的な歯科医院の5倍以上の予約が入りますが、これは治療に満足し最後まで通院してくれる患者さんのおかげです。患者数の多さが、治療品質の証になると考えています。

保険で入れ歯を作るなら、初診3千円。上下作っても自己負担は2万円程度です。
これが「名医」の手にかかると、いきなり100万円。お父さん、娘の結婚式ですよ、綺麗な歯を入れましょうとなる。歯が全てなら、100万円でもいい。でも私は、歯は2万円でいいと思っています。
ただし、品質は100万円の入れ歯の50分の1ではありません。むしろ、自費を100%とするなら、保険でも80%が可能です。

私も以前は100万円の入れ歯をお勧めしていましたが、実はその頃と、医院全体の売り上げは変わりません。なぜなら、今のスタイルになってから、患者さんが爆発的に増えたからです。もちろん、2万円だからといって、患者さんの悩みが少ないわけではありません。予算の違いはあっても、患者さんの悩みは同じです。だから、手抜きはできません。忙しくなりました。

でも、100万円の頃から来てくれている患者さんに言われました。
「高額な入れ歯の時の方が、治療の時間も長いし、密な関係で話が出来た。でも、いまの方が活気が出て、いいクリニックになりましたね」
そう言っていただき、間違ってなかったなと思いました。
私たちが考えるべきことは、10倍の人数でも、治療品質を落とさないことです。

チーム

医療の世界では、スタッフより医師、とくに院長が一番強いという構図になっています。
私は開業したときから、これに違和感がありました。
責任感や立場上、院長として「決めなくてはならないこと」はあります。また、法律で定められている部分もあります。しかし、院長が強すぎると院内がぎくしゃくします。

医師がすべての情報を把握しているとは限りません。患者さんは、内容によっては医師よりスタッフに話しやすいこともあるでしょう。
私は、それをスタッフが伝えてくれたときに、ちゃんと受け入れられる医院がいいと思いました。
そうしたときに初めてチームとして機能すると思うのです。

のぶ歯科では、ドクター、衛生士、マネージャー。それぞれが役割をもって、主体的に治療に携わります。
たとえば、治療計画はドクターが作成しますが、一方的に指示する形ではなく、衛生士やマネージャーの視点も取り入れるようにしています。そのために、患者さんの治療について歯科医師とスタッフでミーティングを行い、意見交換しています。
「入れ歯にする」という治療計画の患者さんでも、カウンセリングを担当したマネージャーから「あの患者さんはどうしてもブリッジにしたいそうです」と聞けば、可能であれば患者さんの声を取り入れて計画を立て直します。

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毎日ミーティングを行い、治療計画、患者さんの希望などを共有します。

情報共有

のぶ歯科では、1人の患者さんを複数のドクターで診ています。
そのため、情報共有を重視しています。とくに大事なのは「工程表」と呼んでいる治療計画です。
虫歯が1本、2本だったら、治療計画がなくても問題ないでしょう。
しかし、のぶ歯科には、重度の患者さんが多いです。治療すべき歯が多いので、最初にしっかり計画を立てておかないと、混乱してしまうのです。

工程表には、最初に治療にあたったドクターによる治療計画と、それぞれの診療で何をしたかという治療記録が書かれています。
治療計画には、技工所への指示内容や、患者さんに説明するタイミングまで細かく書かれています。状況に合わせて微調整しながら、工程表に沿って治療を進めます。

ドクターだけでなくスタッフの誰が見ても、いまその患者さんがどういう状態なのかわかります。そのため、一般的な医院ではドクターにしかわからないことも、スタッフが患者さんに伝えることができますし、医院内での確認もスピーディーです。

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工程表があるおかげで、複雑な治療でも無駄なく最短距離でゴールに向かうことができます

オペレーション

のぶ歯科には1日に平均100人の患者さんがいらっしゃいます。これは一般的な歯科医院の5倍の人数です。
それだけの患者さんを受け入れるために采配を振るうのが「マネージャー」です。

のぶ歯科でマネージャー制度を取り入れたのは2013年です。それまでは、患者さんが増えたことに対応しきれず、長くお待たせしてしまうこともありました。また、急患にも対応できませんでした。

マネージャーは、のぶ歯科が独自に作ったポジションです。
できないのは診療行為だけで、医療事務から治療の内容まで、歯科医院におけるすべての情報を把握しています。
「カウンセリング」で期間や費用などをご説明し、患者さんとドクターとの橋渡しをするのも大きな役割です。これによってドクターは診療に集中することができます。マネージャーには十分な知識があるので、患者さんはドクターに聞きにくいことを聞いても、答えることができます。

また、患者さんが立て込んできたとき、ドクターや衛生士はその状況になかなか気づけないので、マネージャーが全体の段取りを組み直し、ドクターや衛生士に指示を出します。状況を見てできることから進めていくので、結果的にすべてがスピーディーに回っていきます。

患者さんには気づかれないかもしれませんが、のぶ歯科のオペレーションはマネージャーによって支えられています。